コ

セブンのコのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
4.6
映画を見終わった後、しばらくフリーズ。
なんて悲しいラストなんだって、救いようがなくて絶望に打ち拉がれた。
ブラピの表情がなんとも言えない。

ミルズがわざわざ物騒なこの町にきてからの1週間をうまく使っていて、非常にコンパクトで無駄のない映画だった。そして作中の重く陰鬱な時間の流れと雨の描写が、サマセットのいう「どうしようもない町」がひしひしと伝わってきて、常に見てるこっちが不安を感じた。綺麗な奥さんが出てきた時点で、ああ絶対この女性に何かあると序盤から嫌な気しかしなかった。

「世の中はクソだ。でも戦う価値はあると」
個人では欲にまみれ、お互い無関心でいる事が上手に生きる秘訣であるくそったれな世の中でも、それでももがき苦しむ事には価値がある事だと。辛辣なラストではあったけど、最後のサマセットの言葉で色んな感情が湧いた。最近つまんねえな、人間クソだなとこのストレス社会で疲れる全人間に、もう少し頑張ってみようと思わせる映画だった。
ミルズは出所後にどんな生活を送るのだろうか。悲しい暴力の連鎖が起きてしまったわけだが、ミルズはこの世に絶望してしまうのだろうか。ずっと暗くてじとじと雨が降っていたのが最後あんなに晴天だったのは、「地獄より光に至る道は長く険しい」っていうメタファー?
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