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ドライブ・マイ・カーのfernのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.5
一言で言うと再生の物語
それを表すにはやはり3時間必要だったのだと思います。

メインストーリー、音が性行為の最中に語る物語そして、チェーホフの〈ワーニャ伯父さん〉
3つの物語が絡み合って美しくも厚みのある映画になっています。

正しく傷つく事が出来なかった家福
みさき、高槻、ユナなどと一つの演劇を作り上げる過程で、次第に自分の心と向き合うようになります。

高槻役の岡田将生さんの演技に引き込まれました。
身体から感情が滲み出ていて、この演技を見るだけでもこの映画を見る価値ありです。

ユナ役の韓国の女優さんの手話の演技も心に響きました。

ふとした瞬間に映像がフラッシュバックする余韻の残る映画でした。

そして始まりから終わりまで一貫して流れている監督の確固たる信念

それを一言で言い表すことはできませんが、濱口竜介監督(脚本も)の持っていらっしゃるぶれない心の軸が素晴らしくて

これからもよい映画を作られていくことだろうと感じました。

生半可な心根では撮れない映画だったと思います。

(日本の映画がゴールデングローブ賞を取った事が心底うれしいです。)
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