tabi

ドライブ・マイ・カーのtabiのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.7
劇伴が少なくて、喧騒が背景にずっと聴こえてくる様とかは一昔前の邦画みたいでノスタルジーを感じる。
話の動きがあまりなくて、少し不穏な空気を帯びつつも柔らかい映像が多いので、冗長と言えば冗長。それでも観終わって、無駄に長かったと言う印象も抱かないから良い映画だったのだと思う。
後半の雪のシーンとかは、正に補聴器をつけた時の様な誇張された静寂を感じられて、映画館でないと味わえない体験だった。

広島が舞台なのに、唐突に韓国のシーンになったりと、チェーホフの銃として機能してない演出は少し違和感。

後悔ややり切れなさに、過度に儀礼的なお葬式を通して区切りをつけていくのだろうけど、奥さんの吹き込んだテープと毎日語ることで引き戻されて囚われ続けているのが、側から見て幸せなのか不幸なのか分からなかった。
tabi

tabi