けいおです

ドライブ・マイ・カーのけいおですのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.1
淡々と語られる妻の物語には、真実を語ることが彼女の唯一の存在証明だったという声なき声が込められていた。

内なる自分を引きずり出すチェーホフのテキストは、自分に耳を傾け真実を受け入れることを主人公に迫る。
罪と自責を抱えたまま、それでも生きていくことを決意した家福のこれからと、彼の手がける舞台が終盤見事に溶け合っていく。
劇中のソーニャの言葉が家福自身の救いになれば良いな。

当人らに都合のいい幻想を寄せ集めた関係に身を委ねるのではなく、怒り傷つきながらもそこにある真実に向き合うこと。
大好きな映画スモークの対局にある主張だけど、併せて見たい一本になった。
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