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ドライブ・マイ・カーのかとう鑑賞中のレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
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目指したところは文学・戯曲・映像の三位一体。文学は村上春樹の人間的な内省と関係性、戯曲はチェーホフのセリフとロールプレイング、映像でとにかく動かすしかないから移動の連続とロードムービー。賞を獲る作品ていうのは、たとえば絵画の主題なんかと同じで、シナリオを動かす装置(=岡田将生の役柄)はどれだけわざとらしかろうと明確に配置するほうが評価される印象。それよりもきっと見せ方のほうが問われるのだろう。「徹底した読み合わせ⇔淡々とした送り迎え」があっての「中庭の稽古⇔山村の抱擁」での化学反応。どちらのほうを演劇的に見えさせるかまでは念頭に置かれているか。