なり

誰かの花のなりのネタバレレビュー・内容・結末

誰かの花(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

2022上半期ベストクラス

事故の加害者(?)の人がふつうにシュークリームと缶コーヒーを買っていて、それを遺族の子どもが「そういうところを目撃した」と言うだけのシーンで、その是非の話をしない辺りがこの映画らしさというか、おれが好きになった映画の形をしていた

これおれは502号室の人何も悪くないと思っちゃうんですよ
でも「殺人犯」とか「加害者の方」とか言われるわけ 石も投げられるわけ

人の視線とかもすごい痛い映画で、特に序盤の認知症のおじいちゃんを縛り付けようとしたけど後ろから子どもに見られていて、それでおばあちゃんが躊躇って……みたいなくだりが一瞬なんだけどめちゃくちゃよくて震えてしまった

みんな自分の身内?だと思った人間には優しく出来るのに1歩その外に居る人間には優しく出来ないどころか割と悪意とか攻撃性のあるまなざしを向けたりするのマジで嫌だったな 主人公の青年?がかなりその感じが強かった

「認知症のおじいちゃんが植木鉢を落としたのか?突風が落としたのか?」という謎(?)をかなり主軸に置いてるけどそんな万人が求める"真相"を描こうとするんじゃなくて、そういう事故にあった周りの人間たちに主軸を置いていたの、マジでよかった

事故に真相とか無いから被害者も加害者も生きていくしかなくて、でもその中で亡くなった人の命日を忘れることもあるし、シュークリームを食べることもある
みたいな映画だった 安易に救いとか希望とか用意されなかったところもかなり好きだな…
なり

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