このレビューはネタバレを含みます
人生の師として知られるべき逸材。
自分のやりたい音楽を貫き、
祖国アメリカから干されてもなお
自分の姿勢は変えなかったザッパ。
ロシアから当時独立したばかりの
チェコスロバキアの革命児たちへも
ザッパによる影響は計り知れず、
アメリカから干されても、
チェコスロバキアからは熱烈なファンの歓迎と
国政支援を結んだ。
自分の揺るがない軸を貫けば
離れる人は離れるし、
支持してくれる人は支持してくれる。
社会の弾圧にも負けず
自分を貫く姿勢と
その音楽へ対する姿勢は
他の誰にも邪魔できない狂気的なものだった。
しかし、ザッパの面白いところは
他のアーティストのように
自分のやりたい音楽を好きなだけやるのではなく、
自分のやりたい事
=稼げないこと
と、ビジネスを別個で考えており
「やる事やって稼いでから、やりたい事をやる」
というそのスタンスが
この世の中を勝ち抜くためにとても合理的で、カッケェと思った。
若い頃は
社会に弾圧され、それでも自分の音楽を貫いたザッパ。
当時は制限も多かった(というより、結果的に自分で増やしてしまった部分もあるのだろうけど)だろうが、
そのザッパの影響を受けて、
ザッパの曲を聴いて育った当時の子どもたちが
自分達の手で、もっとよく表現したい!
と有志で集まり、
ザッパのオーケストラ曲を演奏した事は感動だった。
見てくれる人は見てくれているし、
今すぐ実りはなくても、実を結ぶ時はくるかもしれない。そう思わせてくれた。
きっと、見る人どんな人に対しても
様々な気づきと良い教えを得ることが出来る映画なのだろうと思った。
とても良かった。