エマ

くれなずめのエマのレビュー・感想・評価

くれなずめ(2021年製作の映画)
4.3
《少しネタバレ含みます》
とても不思議な世界観。でも変にメルヘンでも無く、どちらかと言うと哲学的な描かれ方。こういう作品初めて見たかも。

死者が死者らしくないし、意識を持っているように見えるけども、それは5人の共通認識から浮かび上がってくる死者の残像であることが分かる。

ミユキ?だっけ(前田敦子)との対話はどういう描かれ方なんだろう。ミユキが思っている(みんなが思っている)、と5人が感じていることをまたも残像として浮かび上がらせることによって、亡くなった者と出会わせて弔ったということだろうか。きっとミユキは「二次会行くよ」って声かける以外は何も話していないと思う。あの5人が作り上げたストーリーなんだろうな。
最後のお別れのシーンは展開を変えなかったのは(変えられなかった?)なにか理由があるのだろうか。
きっと5人が友の死を受け入れることが出来たということだろう。
「暮れなずまねぇなお前は」っていうセリフは、友の死を受け入れられずに生きながらも成仏が出来ていないような5人自身に向けられてたのではないかと感じる。

最後の最後のセリフで「早く暮れなずめよ…、ハハハ」みたいなのは、まだ少しだけ未練があるのだと思う。
まだ暮れなずみきれてはいないけれど、残った生者として共に楽しく生きていくと決心した男達の歩みはゆっくりだった。
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