メザシのユージ

モンテッソーリ 子どもの家のメザシのユージのレビュー・感想・評価

4.0
2021年・32本目

ベルギー国境近くの街、フランス・ルーべにあるモンテッソーリ幼稚園。クリスティアン先生が受け持つクラスでは、2歳半から6歳までの年齢の異なる子供たち28人が机を並べている。教室に設置された小型カメラが、子供たちの自然体の姿や生き生きとした表情を捉え、彼らの成長を丁寧に観察する。
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「小さな子どもには天才と呼ばれる人たちと同じ、高い集中力がある」とイタリアの医学博士のモンテッソーリは、精神医学や人類学を元にモンテッソーリ教育を生み出した。モンテッソーリ教育の基本理念は子供の自主性に任せることと、子供の集中力を高めること。「モンテッソーリ 子どもの家」は、モンテッソーリの教育理論を紹介するドキュメンタリー。

指先を動かしたり、自主的に行動することで子供の集中は高まる。教室に置いてある物は遊び道具ではなく、日常生活の中の「仕事」を真似しながら、集中力を高めるような物になっている。

教室に先生はいるが、子供を正解へと導くのではなく一歩引いて子供達を観察するのがメインの仕事。先生達の子供を尊重する姿勢がとても良かった。

戦争の時代にモンテッソーリはこのメソッドを考案したそうだが、彼女はこの教育法は別に天才を生み出すためのものでは無く、その子が将来豊かな人生を送れるように、そしてこのメソッドを通じて、平和な世界を作ってくれる人が増えてくれることを願っていたのかもしれない。