佐藤克巳

荒城の月の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

荒城の月(1937年製作の映画)
4.5
瀧廉太郎の生涯をフィクション化した佐野周二主演、佐々木啓祐監督の、情景描写の優れた通俗映画の傑作。瀧佐野周二が汽車から故郷の駅に降り立ち、親友教師佐分利信が出迎え馬車に乗り、途中農家娘高峰三枝子が相乗り、旅館に降りてすぐさま二人は古城跡で昔を懐かしむ。佐分利は学校へ戻り、佐野は土井晩翠「荒城の月」作曲に思い耽ていると、鉛筆も買って貰えないとサボる学童葉山正雄が飛び出したので小銭をあげた。佐分利宅を訪問し食卓を共にする。ある時、佐分利が妹高杉早苗との婚約を勧め承諾するが、高杉が葉山の姉高峰に優しく対応する佐野への誤解もあったが、佐野の病状回復と作曲の完成を待つと約束した。佐野は、葉山の鳥寄せ笛をヒントに曲が浮かび、元実家のピアノで書き上げるが、最後の仕上げに急遽帰京を決意。夜行列車の車中で容態が悪化、途中駅旅館で佐分利に曲を託し、同行の高杉も佐野の最期を看取る。
佐藤克巳

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