tomohitooguro

バズ・ライトイヤーのtomohitooguroのネタバレレビュー・内容・結末

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

SF映画として凄く面白かった。
映像が良いし話のテンポも良かった。
そしてソックスが最高すぎた。なんでもこなせてスイスアーミー猫かよと思ってしまった。

新人やアシスタントAIを少しも信頼していないバズは社会人として共感できなくはない印象だったし、責任感に伴う若干偏執的な完璧主義にも自分は好感をもてた。しかし世間一般ではあまり良しとされないこれらの振る舞いに対する回答として、失敗してもやり直せるというメッセージと最終的には自分一人ではなく仲間と力を合わせて困難を乗り越えるという結末が提示されており納得のいくものだった。PTSDからの立ち直りというテーマもありそうだがバズが心傷している描写が少なすぎて余りそこは意識できなかった。

ザーグはどうせバズのお父さんなんでしょ(笑)なんて鷹を括っていたら未来のバズだった。これには結構びっくりした。そして未来の自分が過去にタイムトラベルしたことでマルチバース化するという。いや、でもマルチバースだとザーグ自身の未来は変わらないわけで目的が不明確になるからバック・トゥ・ザ・フューチャー的な、過去を変えれば未来も変わる設定なのか。まあ細かい話はいいとして、自分本意の歴史改竄が他者に与える影響ついてバズがどう考えるかというのが大切な命題であった。惑星への不時着がなければ有り得なかった出会いや婚姻に出産。それらを無かったことにはできないバズの選択はきっと誰もが共感できる答えだろう。

近年、映画にマイノリティを意図的に登場させる演出が目立ってきた。これはとても素晴らしいことだと思っているし、特に子供向けのコンテンツでは特に意識してほしいと思っている。ただしダブルマイノリティが目立つのは少々気になる。特に有色人種+LGBTQの組み合わせ。ムーンライトにグリーンブック、エターナルズそして今作。別にダブルマイノリティを批判するつもりはないがいささかご都合が良すぎないかと思うことはある。今作に関してはちょっと意識的すぎたような気もする。

ピクサー短篇の同時上映がなかったのは残念だったがミドルクレジットシーンにポストクレジットシーンが2つもあって贅沢だった。Lightyear will returnって文字が見えるような終わり方だった。最高でした。
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