manac

TUBE チューブ 死の脱出のmanacのレビュー・感想・評価

TUBE チューブ 死の脱出(2020年製作の映画)
3.1
現代『Méandre』はフランス語で蛇行を意味する。
邦題は明らかに『CUBE』(97年)を意識したもの。
心なしかジャケットデザインも『CUBE』らしさが漂う。

評価低めではあるが私は楽しめた。
『CUBE』にスピリチュアル要素をふんだんに盛り込んだらこうなりました的作品。
宇宙人だか宗教だかの要素をすっかり取り除けば『CUBE』と同等のサスペンススリラーに仕上がったと思うのでそこが残念ではあるが、どちらにしろオリジナルは越えられない『CUBE』の二番煎じ。

突然狭苦しい見知らぬ場所で目覚め、知らぬ間に謎のボディスーツに着替えさせられ、手首には謎のカウントダウンを始める光腕輪がはめられている。
何とか脱出を試みようと狭いダクト(チューブ)の中を匍匐前進。
途中に進路が二手に分かれていてどちらかを選ばなければいけなかったり、天井が下がってきたり、水攻め火攻めとあらゆるトラップが仕掛けられている中を知力を振り絞って進む様はゲームのようで楽しい。
楽しいと言っても、トラップは相当危険なものであり主人公は命懸けですが。
かなり痛々しい描写もあり直視できない部分もある。

ゾンビらしきものが出てきた辺りからあらら~?となり、主人公の亡くなった娘が登場したところであーそっち系のお話ですか、とやや残念に思う。
ゾンビの高速匍匐前進はなかなかシュールなワンシーン。
それでも、それまでのヒロインの迫真の演技は鬼気迫るものがあり緊迫感があった。主演女優の演技力に乾杯。


火攻めトラップを回避するためにはダクトの横に仕掛けられた小部屋に逃げ込むのだが、主人公と同じく連れてこられた別の被害者とその小部屋を奪い合うシーンがある。
お互いが必死に相手を蹴落とし自分だけ小部屋に逃げ込もうと争うわけだが、その小部屋十分二人で入れる広さがある。
その相手というのも連続殺人犯というどうしようもない男なので別に死んでくれて構わないし、争ったお陰でトラップを抜け出せるヒントを得るわけだから結果オーライなのだが、とりあえず命掛かってんだから二人で入れよ。
manac

manac