ありんこちゃん

竜とそばかすの姫のありんこちゃんのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.2
細田監督の自慰行為ですか?という印象。未来のミライで監督どうしちゃったのかな、と思っていた勢なので、真骨頂であるオリジナルの世界観!しかもデジタル!と楽しみにしていたら、お粗末過ぎた。

美女と野獣とサマーウォーズをごった煮して、不味いの何の。感情描写が少ないから行動の理由が分からない、ついていけない。主人公が仮想空間になると自信にあふれすぎて、プリンセス願望がすごかったのか、なんか勘違いしてるのかな?とか思っちゃう私のAsは醜いのかな笑 鈴より心優しい人はごまんといるだろうに、なぜ美人が仮想空間にあんなにもいないのか謎。人間の姿が少なすぎるのも謎。50億人もいてオール日本語で歌うユーザーがトップアカウントになるのも謎。ジャスティンビーバーぐらいの強烈な類い稀なる才能とかじゃないとできないんじゃ?Uのふきだしの描写とか、サマーウォーズから10年も経ってるんだから、さすがにデジタル感もっと上げて欲しい。キャラクターの動きも画が日本の手書きアニメーションなのに、ところどころ動きがディズニーすぎて気持ち悪かった。

ライブ、匿名性、アンチ要素が加わって現代のデジタル世界風にしたのだろうけど、良くも悪くも現代なんだよ。Uの世界は未来っぽいのに、現実世界のシーンが現代すぎて、Uの世界が実現する世界はもっと未来では?とか思ってしまった。サマーウォーズは仮想空間も現実空間もどちらも未来でバランスが取れていた。

鈴の声は圧巻だったけど、多くが音楽や映像に関する評価に偏ってるのはストーリーの微妙さと風呂敷を広げ過ぎたのを物語るようだけど、でもせっかく音楽に力を入れた映画なのに、ジブリのような、レガシーになるほどのものではない。一過性の流行で終わりそうだし、音楽がテーマの映画でもないにもかかんらず前前前世の方がブームを巻き起こしてたので、やはりこの映画は音楽に関しても微妙なのだと思ってしまう…。”一過性”であることを仮想空間、デジタルであることとかけているとは思えないし。物語の中でキーとなるところが全部歌だったのも余計にストーリーをぼやけさせてると感じたし、それならディズニーのようなミュージカルアニメ映画ではなく、日本のミュージカルアニメ映画を作る勢いで制作した方が良かったのでは、と思ったけど細田監督にはそれは無理そう。大衆受けを狙ってスケールを大きくすればするほど失敗しそう。

もう今後細田守監督作品は劇場では観ないかな。