ゆーたろー

ある用務員のゆーたろーのレビュー・感想・評価

ある用務員(2020年製作の映画)
3.6
あと一歩のところで傑作まで仕上げられた秀作だった!

21歳の若さでインディペンデント映画で「ファミリーウォーズ」(これは傑作!)や「ハングマンズノット」のような見応えのあるスプラッターを仕上げた阪元裕吾監督のメジャーデビュー?作。

前半は、裏社会を牛耳るボスの高校生の娘のボディガードとして雇われている凄腕の殺し屋の主人公にヤクザが仕組んで、ボスの首を取らせる話がメインだが、そこから後半に向けての前野朋哉を中心に新たな登場人物達が続々と登場していく展開は、映画好きならゾクゾクするくらいおもしろいでしょう!まさに和製スモーキンエース!

また、緊張感ありながらも随所に笑い入れてくるあたりのセンスが半端ない!
前野朋哉の組長の試し撃ちの下りなんか、緊張と笑いが同居した傑作の名シーン笑

殺し屋のあるグループが体育館のピアノ弾きながら、「俺達なんでこんなんなっちゃったのかな」とか、会話が抜群!
会話がおもしろいというのは、今の日本映画には少ないのでこの監督にとって素晴らしい財産なのかと思う。

主演の福士誠治の喋らない時のカッコ良さは痺れるが、喋らせたら日本映画の演技ぽさが見えてしまうのが多少残念。

殺し屋達の退場があっさりしすぎていて、登場の釈がもう少し長くしてほしかった点と、ラストの長すぎる感動シーんはいつもの日本映画に戻されるので、その辺りだけ惜しかったなと思いました。
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