Asino

オートクチュールのAsinoのレビュー・感想・評価

オートクチュール(2021年製作の映画)
3.8
平気でスリとかしてた移民系の女の子が、才能を見出されてオートクチュールのお針子になる話。

Diorのブランド戦略ってどこまで計画的でどこから(映画とかの)作り手の方から求められたものなのか、いつも一番そこが気になってしまうんだけど、うますぎる…。

8年前の銀座のディオール展も今やってる現代美術館の展示も見て、「ミセス・ハリスパリへ行く」も見たばかりですけど、おとぎ話だなぁ、と思って見る部分と、普通の市民とオートクチュールの世界の経済的乖離をはっきりと描きつつも、結局手仕事への敬意とか美しいものへの憧れ、みたいなところにふんわり持っていってしまえるのって、ブランド力なのか私がちょろいのか。(まあミセスハリスは原作があるので最近のマーケティングの結果じゃないんでしょうがそれを今映画化したのは今のDiorでしょう?違うの?)

そんなことを考えずにいられないので、ミセスハリスはちょっとあまりにもPR映画ぽくて素直に楽しめなかったんだけど(いやRAFのフレディ・フォックスとか出てくるしそこは楽しかったですが)
https://filmarks.com/movies/103146/reviews/146853513

こちらもやっぱりおとぎ話(そんなちょっと手先が器用なくらいでディオールのお針子になれるんだったら、専門学校に通ってる子たちみんな泣かない??)、ではある。
けど、主演をパリ郊外の団地の移民系の子にして、仕上がったドレスは見せるけどショーの様子も顧客の顔も見せない、「裏方」の人たちの話にフォーカスして、パリとその周辺=経済格差みたいな話と、移民系の人たちに対する偏見と、彼らの方が「パリ」に持ってる偏見とをそれぞれ描いて、そこの交流が描かれてるところでずっと見どころがあった。

まあなにより主演のリナ・クードリが可愛いですよね…。
「パピチャ」で知ったけど、「フレンチ・ディスパッチ」も「ガガーリン」も比較的最近見たので、主要キャストになってて日本で見れるものは結構カバーしたかも?あとは「スペシャルズ!」とかか…。
Asino

Asino