ナナイカカ

しあわせのパンのナナイカカのレビュー・感想・評価

しあわせのパン(2011年製作の映画)
5.0
ああ、なんという丁寧な暮らし。
ゆっくり流れる愛おしく、優しい時間。

いまの私のだいすきが
ぜんぶぜんぶ漏れなく詰まった
宝物のような映画。

北海道の大自然のなかポツンと
夫婦でやっているパン屋さん。
一匹の小さなやぎを飼っており、
夫はかまどでパンを焼いて、
妻は丁寧にコーヒーを淹れる。

ノロノロと散歩するように進むみどり色のバス。
カッティングボードに並ぶ焼きたてのパン。
気に入らない作品はその場でぶち割る
地獄耳を持つ、近所に住むガラスの器の職人。

風に揺られるためにつけられた
ガーゼのように薄いカーテン。
電球に設置されたガラスの器。
洗濯物のポケットから出てくる小銭。
雪道では妻に自分の足跡の上を歩かせる夫。
妻を「さん」付けで呼ぶ夫。
夫を「苗字くん」付けで呼ぶ妻。

夏は彩のよい野菜をブリキのタライで洗い、
秋は自転車で栗の木の下まで栗拾いにでかけ、
冬は集い、みんなでパンを作る。

そして、ここのパン屋のパンを食べるひとは皆
愛するひととパンちぎって分け合う。
分かち合う。

そしてトドメの矢野顕子と清志郎(パーン!🍞)

あと何十回でも見ることになる映画。
この暮らしが、したい。

🍞🥖🍞🥖🍞🥖🍞🥖🍞🥖🍞🥖
ナナイカカ

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