気がつけば相応の年齢となった私は、急に色々な事が出来なくなったり、諦めねばならない事が増えました。
この映画における、中村嘉葎雄さんの迫真の演技は、人生の終点に近づくほどに、それらはもっともっと増えるのだということを、心臓を鷲掴みにされるような感覚で思い知らせてくれました。
そして、僕より上の年齢の人たちは皆、そうしたものと戦ったり折り合いをつけたりしながら、幸せに向かって歩いているのだという事も。
中村嘉葎雄さんの演技には、そうした老いへのリアルさと、それに向かう勇気をもらえた気がして、沢山涙しました。
この映画自体は「都会のオシャレ系が夢見る幻の田舎暮らし」みたいな全体の絵面が、私のようなオヤジにはどうにも鼻につきまして、入りきれない事でありましたが、良いシーンも沢山ありました。