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アメリカン・ユートピアのkakakaのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
3.7
脳ミソの歌から始まり、アメリカを、ひいては人間を、時に可愛らしく、時に皮肉交じりに、過激に歌い上げ、音楽の幸福と熱狂のボルテージが徐々に高まると、舞台装置の鎖の壁は取り払われ、解き放たれる楽隊が生む自由の気風は、やがてステージという概念からもはみ出して、観客を、我々をただ音楽に身を委ねる心地好さに巻き込んでいく。
そして本来ライブ(ミュージカル)である本作が映画としてのフォーマットで出力される最大のハイライトは、ラストシーン。
人々を音楽という幸福に巻き込んで観客席を練り歩くデヴィッド・バーンと楽隊は、ブロードウェイの扉さえ飛び出して、ニューヨークの街へ帰っていく。
もう、童話かなと、笑っちゃう。
現代のブレーメンの楽隊なら、連れてって欲しいなぁ。
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