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フローラとユリシーズのJIZEのレビュー・感想・評価

フローラとユリシーズ(2021年製作の映画)
3.4
米国の児童文学賞の最高峰"ニューベリー賞"を受賞した「空飛ぶリスとひねくれ屋のフローラ」を題材にスーパーヒーローへ覚醒したリスの"ユリシーズ"が繰り広げる少女との家族の絆が描かれる。冒頭でウルヴァリンやアイアンマンなどアメコミ内の英雄陣が、コミック調で少女の妄想域でペラペラ登場するサービス描写は粋。また同じディズニープラスの系譜では今年みた『名探偵ティミー(2020年)』を彷彿とさせる。つまり好奇心旺盛で、大人顔負けな立ち振る舞いを平然とする主人公自体の資質が全編で際立つ。また少女がスーパーヒーローに憧れを抱き、想像の世界が現実へ具現化する妄想内世界が拓ける感じは、ディズニーらしさに満ちていた。全体的にユリシーズの音声かつ字幕を切る振り切った構成や、非現実過ぎない現実内での軽度のドタバタなど、可愛らしさを保ちつつ、心暖まる穏やかなヒューマンを紡ぎ出したように思う。
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