ななし

マイ・ダディのななしのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・ダディ(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

私が涙もろいということを念頭に。
ティッシュ7枚使いました。

神様って、愛って、家族って何なんだろうと考える映画です。

試写会初めて行ったんですが、なんだか不思議な気持ちでした。
この映画を見たいって集まった人と、見せたいって人が集まってるなんてそうないですね。
会場ではずっと主題歌である「それは愛なんだぜ」という曲が流れていて、見終わった後では、なんとも言い難い気持ちになります。

試写会に応募しておきながら、会場のフライヤーで発覚したのですが、あらすじだけだとかなり救いがない話です。
生活苦の中でも娘のひかりと暮らす神父のムロツヨシ。
妻はすでに他界、娘は白血病。実は娘とは血がつながっておらず、本当の父親のドナー提供してもらうために、探し始めるムロ。

ムロツヨシって福田組とかコメディでしか見てなかったので、劇中はずっとムロに笑顔を、、、と思いながら見てました。
何度も何度も、ムロの顔が悲しみに苦しみに歪みます。

ティッシュを交換した箇所をお話ししますと、、、

①一人でお医者さんから病気の宣告をうけたムロとそれを宣告するムロ、神様は乗り越えられない試練はないんだよねと涙ながらに問うひかり。二人の視線は交わるようで交わらない。
②血がつながらないことを知った夜、ムロ妻との出会いの象徴で、大事な思い出であるイースターエッグを自分で割ってしまって泣きながら破片を集めるムロ。あ、あ、と声にならない叫びが聞こえます。
③また再発して、ひかりがどうしてお父さんの白血球の型が一致しないのと叫ぶひかりと、無言で出て行くムロ。
④教会のみんなにもドナー提供を頼み、応える周りの人。特にガソスタの甥っ子が良い。ムロ妻が昔の男のためにビラ配りした駅前でもビラ配りするムロ。
⑤突然病室を抜け出して、彼ピッピとデートして、ラブホにいこうとするも拒否られて呆然とするひかりの後ろ姿。その後のシーンも泣けるのですが、私はこの後ろ姿が目に焼き付きました。持病がある私としても、大人になれないかもしれないから、何が何でも背伸びをしたい気持ちがすごく伝わってきて、あの背中が本当に抱きしめてあげられたなら抱きしめたのにという気持ち。
⑥ムロ妻の得意料理であるちくわカレーが、本当の父親の食堂で提供されてて、震える声で読み上げると注文と捉えられ、ムロの前にちくわカレーがでてきて、泣きながら食べるムロ。ここも2番目にきた。どうしてムロをこんなに追い詰めるの、、、。
⑦いざ提供となったときに、ひかりが言い出した問いかけ。これはネタバレするよりも見て。視線が交わらないんだけど、最後はしっかり見つめ合う二人の親子を見て。

奈緒さんの、狐みたいな目がとっても可愛かった(ほんとに褒めてる)

そして父になる、アイアムサムを思い出す。

帰り道の電車、骨髄バンクの広告。
ブラックジャックと天才だけでは、助けられないと一言。
世界中にこんな話、たくさんある中で、綺麗な話だけ見られたのだなと。
みんな登録しようね。
そして、正式な住所持とうね。
ななし

ななし