いろどり

クエシパン ~ 私たちの時代のいろどりのレビュー・感想・評価

3.5
差別を受け、選択肢が限られていると、抑圧された思いが負のエネルギーとなり大きくなっていく。ドラッグや暴力の面が色濃くなってしまうのは、彼らの持って生まれた気質ではないだろう。侵略された先住民の狭い世界の悲哀が静かに伝わってくる。

伝統を守りたい人、良いものは受け入れたい人、揉め事を起こさずあるがままを受けいれる人など、人の考え方は世代に関わらず多種多様で、この複雑な世界の生きづらさが浮彫りになっていた。差別を受ける先住民は全員が、差別する民族(白人)を拒絶しなければならないわけではない。でも、白人を理解しようとすることが先住民に対する裏切りだと感じる人もいる。世界を広げるのは本当に難しく大変だというのが若者の生活を通して分かりやすく描かれていた。

カナダの先住民の生きづらさが全面に出ていて、静かながら力強さを感じる映画だった。
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