Scratcher

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのScratcherのレビュー・感想・評価

4.0
『チャーリーとチョコレート工場』のロアルド・ダール原作を20回読み、ジョニー・デップ主演の映画を100回は観ている人間こと私に言わせますと、

最高すぎる映画でした

1秒たりともつまらん冷笑の入り込む隙のない、ティモシー・シャラメ演じるウォンカの胸にパンッパンに詰まったチョコレートへの愛。自分の傑作を世界中のみんなに食べて欲しい!という夢を叶え始める、ドリーム・エンタメ・ムービー。

そんなポップでスイートでハートフルな正義とウォンカのチョコと魔法を使って、富をもって人々から搾取し続けた悪党たちを、想像もつかないようなワンダーな方法で成敗していく。

他人を疑うことを知らないウォンカは、それによって他人に親切にしてもらってなんとか救われたり、逆に陥れられたりしていくわけだけど、本当に美味しいチョコレートを通じて信頼し合える、愛を分かち合える仲間たちに出会っていく。
夢と愛の詰まった渾身のチョコレートの価値が人々にちゃんと伝わって、幸せが伝播する。マーケットインではなく完全なるプロダクトアウトで、その価値をもって他人を幸せにできる、って、いやー、カッコ良すぎる。超すごい。

ウォンカほどクールなヒーロー、なかなかいない。

ロアルド・ダール原作から脈々と受け継がれる言葉遊び的な要素も健在。可愛いのです。
ティモシー・シャラメは人気すぎるゆえ絶対に好きにならないぞともはや逆張りにもならないいつも通りの天邪鬼を発揮してなんとなく避けてたんだけどもう完全に好きです。その言葉遊び的なセリフをイタズラっぽく発する時の表情や語尾も、切れ者で大切な人をアメージングに救っていくヒーローの顔も、全部全部最高だった。
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