れおん

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのれおんのレビュー・感想・評価

4.2
『チャーリーとチョコレート工場』のはじまり... 世界一の魔術師であり、チョコレート職人を夢見るウィリー・ウォンカが、母と約束した夢である世界一のチョコレート店を開くまでの物語。彼の作るチョコレートは瞬く間に噂となったことで、町のチョコレート組合から睨まれ嫌がらせにあってしまう。少女・ヌードルと愉快な仲間たち、謎のオレンジ色の小人・ウンパルンパとともに、ウォンカは夢を追いかける。

"Every good thing in this world, started with a dream. "
その言葉の通り、夢と希望に溢れたミュージカルエンターテインメント。世代を選ばず、観る者すべてをハッピーオーラで虜にする。

『パディントン』のポール・キング監督色が前面に出ているストーリーテリングは、おそらく配信をも意識したもの。監督・プロデューサー陣によって異なる魅せ方をするのに最適な原作である『チョコレート工場の秘密』、すでに映画化がなされ、巨匠ティム・バートンによって完璧なリメイクまでもがなされている時点で新しくブランディングするのは困難であり、現代映画の潮流から"ミュージカル"という手段が最適だったのかな感がある。

途中で『ANNIE/アニー』を彷彿とするような演出が多々あったり、王道の展開で物語が進んでいくことに飽きつつ、ハートフルエンディングには素直に感動してしまった。もっとも、ミュージカル映画では特に作品の良し悪しに大きく左右する音楽、全体的にあまりにもパンチが弱すぎる。

チョコレートに限らず、甘いをものを皆が頬張り、平和になる世界線はいつ訪れるのだろうか。共に鑑賞した友人がくれた"普通"のチョコレートが、とても甘くて、幸せな気持ちに包まれた。
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