YUMI

REVENGE リベンジ 鮮血の狩人のYUMIのレビュー・感想・評価

REVENGE リベンジ 鮮血の狩人(2020年製作の映画)
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これはなかなかB級作品の掘り出し物ですね。
序盤はテンポが悪くて、冒頭の「おばあちゃんの昔話」のアニメ要る?とか、ヒロインがバーで踊るシーンも間延びした印象を受けました。とにかく彼女がサイコ野郎に捕まるまでが長過ぎ。
しかし、そこから不思議ワールドへ突入。
猪が車にぶつかってくれたお陰でトランクから脱出できたり、川に飛び込んで冷え切った身体を鹿が温めてくれたり、オシッコしようとしてしゃがんだ目の先にブルーベリーの実がなっていたり、暗闇を導くように蛍が舞っていたりと、まるで森の精霊が彼女を守ってくれているようで、ある種のファンタジー感を感じました。
なるほど、ここで「おばあちゃんの昔話」の中で、狼に守られた少女のエピソードが生きてくるのかと納得しました。
死んだと思った老女が起きあがってきたのも、精霊に動かされてるのかも?と思ったり、あの弓を射る少年共々この母子自体が人間ではなく、森に棲む精霊だったのかも、って気もしました。
あわや犯されそうになった時に、カラスが男に襲いかかるってのは、さすがにやり過ぎ感がありましたが。
それだけに、終盤、森を抜け出して住宅展示場に入るとこからは面白さが半減したかな?と思ったのですが、ここからはヒロインと男のどっちがサイコなのか分からなくなるくらい、彼女の狂気の表情や演技に圧倒されました。
森で戦争ごっこやってる連中からペンキ砲弾を浴びて、顔が青く染まってるあたりも、狂った感を増大させてて上手い演出だなと。
ただ、最後に出てくるあの犬は、誰を襲うか指示されていないのに、男にだけ噛み付くのは不自然じゃないかなと思いましたが、そこはもう、森の精霊の力はここまで届いてるって事でw
終盤のヒロインの狂気と絶叫は、ちょっと「悪魔のいけにえ」を彷彿させて楽しかった?です。
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