わにこ

ひらいてのわにこのレビュー・感想・評価

ひらいて(2021年製作の映画)
4.2
高校生の時期ならではの行き場のない無性にイライラする感じやエネルギーがよく表されてる。
主演の山田杏奈さんが「撮影中、愛のことがずっと嫌いだった」とおっしゃってたけど、こんな行動してしまう自分が嫌い、だけど愛ちゃん自身自分のことが一番可愛いみたいなのが画面の中に表現されてて良かった。
愛ちゃんの周りのもの全て巻き込んで崩れてく感じも、たとえ君の素朴だけどなんだか惹かれる雰囲気や佇まいも美幸ちゃんの癒される包み込まれる感じも良かった。

観た人それぞれが違う感想を抱きそうな作品です。

(以下ネタバレです)
最初は綺麗にしてた部屋やアイロンで真っ直ぐにしてた髪の毛も綺麗にしてたネイルも気持ちが崩れてくにつれて部屋のゴミも放置、髪もボサボサ、爪もボロボロになってく感じや「嫌いでもいいからたとえの視界に映りたい。たまに言葉を交わすだけなんてもう無理」ってどんどん止まらなく転がってくのがテンポ良かった。

たとえの家にバスで2人で向かう時、美幸が愛に「愛ちゃん何しに来るの…?」って聞いてたけど本当それだし気まずい感じも伝わってきた。

気になる点。

最初はたとえ君の好きな人を奪えばいいと美幸に近付いた愛だったけど、美幸と肌を重ねる事で美幸に対してどんな気持ちの変化があったんだろう。最後の「また一緒に寝よう?」はどういう意味?

たとえ君のお父さんを愛ちゃんが殴ったけどあの後たとえとお父さんはどんなやり取りがされたんだろう。たとえは東京の大学行ったのか、どんな大人になるのか気になる。

最後の木のオブジェの教室で愛が「たとえの為なら両目を針でつけるよ。失明したら側にいてね。これで好きになれる?」(←ニュアンス)って笑いながら言った愛の耳を塞いで顔を見つめたたとけ君はあの後どんな事を言ったんだろう。
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