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偶然と想像のsanchangのレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
3.8
3話の短編集。
いずれの話も、物語を大きく動かすのは登場人物たちに訪れる偶然ではあるのだけど、彼らや、観客の僕らの心を動かすのは、覚悟を決めた告白だったり、衝動的な行動だったり、踏み込んだ質問だったり、人による必然的なコミュニケーションのように思う。
何気ない会話の中にも、意識的に相手に踏み込むことで人の心は動き、人と人とがつながる瞬間をとらえた話たち。そしてこれらの会話劇は、瀬川教授が言うように、「言葉に呼応して紡がれた言葉たちをとらえた」映画であり、偶然生まれた言葉たちが、人の心に入り込むことによって必然へと変わる瞬間をとらえたようにも見えた。
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