おまんちゃん

対峙のおまんちゃんのレビュー・感想・評価

対峙(2021年製作の映画)
4.3
非常に興味深い、時間が進むごとに各人の印象が変わる。。

被害者の方、最初に母親がキレるのを父親が嗜めて議論が進んでくと父親のが感情的になっていくのめっちゃリアルっておもた。
被害者家族と加害者家族どっちが辛いか系映画、ドラマ色々見てきたけど、ほんと難しいなっておもた。

でも悲しいかな、日本人の私的にはやっぱり加害者家族のひらき直り?太々しさにちょっと腹が立ってしまった。
加害者の母親特に、その思い・写真、ぶつける相手が違くないか?というか、言いたいことはわかるけどそれ被害者家族に言う話じゃない。。って第一印象でもうムカついてしまった。
だからといって「死んでお詫びします」みたいな、加害者家族らしく下向いてろ!みたいのも違うと思うので本当に態度ってむずい。。
でも、「なにかプレゼントしたいと思った」っていう加害者母のエゴはひどかった。それ受け取った方どういう気持ちになるか考えてんの?最近趣味で〜じゃねえよいらねぇよ!っていう。

加害者父も冷静で言ってることはすごい正しいんだけど、今その立場でその冷静さ、理論的なのいらないんだよね!っていう

ただ、加害者家族も被害者だってこともわかるし、被害者家族も「何が知りたいのか」なんて本当のところなくて、悲しみのやり場を加害者家族にぶつけてるだけ、納得のいく理由(そんなもんないんだけど)を探してるだけ、っていうこの落とし所のない議論。胸が痛む。
被害者の親は子の人生が無駄だったことにしないために、何かを変えようと、何かできないか模索し、加害者の親は子が生まれてこない方が良かったことを否定するために子がどんな人だったか思い出す。

それで「祈り」って映画思い出した。
同じ「子供を失った者」同士、その子供の死に方が不条理だったのか、犯罪に手を染めたのか、親としたらどっちが心が落ち着くのか。
事実としての息子と親としての息子。
たしかに世間的には加害者を守ることは非難されるけど、親としては正しいのかも。

この会があること自体に意味があってそれぞれ先に進めることを祈る。。