福福吉吉

鳩の撃退法の福福吉吉のレビュー・感想・評価

鳩の撃退法(2021年製作の映画)
4.0
小説家の津田(藤原竜也)はバーテンダーとして働く中、出版社の鳥飼(土屋太鳳)に書きかけの新作小説を読ませる。富山の街で起こる出来事を小説にしたものであり、津田はフィクションだと言う。しかし、過去に事実を小説にして裁判沙汰になった前科のある津田の小説に鳥飼は事実ではないかと疑いを持ち、調べ始める。
その小説は、うるう年の2月29日、津田がコーヒーショップで小説を読む男・幸地秀吉(風間俊介)に出会ったことから、全てが始まった。

ストーリー構成が特殊で、小説の中の出来事と現実の出来事、そして過去と現在が分散して描かれているため、少し分かりにくく感じました。多くの登場人物が存在し、その部分でも内容が把握しにくい作品だと思います。
しかし、バラバラだった登場人物たちとその行動が最終的に一本につながる結末がとても印象的で面白かったです。

主人公の津田は天才小説家でありながら問題児で、その本性が掴みづらいところが魅力的なキャラクターになっています。小説以外の面では基本的にダメ人間で、その場しのぎで行動する感じがして軽いタイプです。

津田以外の登場人物たちも個性豊かで、津田が行く先々でトラブルになったり、助けてくれたりと人間関係が目まぐるしく変わっていき、複雑ながら観ていて楽しかったです。房州書店の爺ちゃん(ミッキー・カーチス)が意外と津田の才能を買っていてほっこりしました。でも爺ちゃんのプレゼントも津田は活かすこと出来ないので笑いました。

ネタバレなしだとなかなか書きにくい作品ですね。それでも面白い作品でした。

備忘録 登場人物
(1)津田伸一(藤原竜也)
主人公の小説家。しかし、過去は風俗の運転手だった。
(2)鳥飼なほみ(土屋太鳳)
出版社の編集者。津田の小説で過去に裁判沙汰になった。
(3)幸地秀吉(風間俊介)
バー「スピン」のマスター。2/29に津田とコーヒーショップで会う。
(4)沼本(西野七瀬)
コーヒーショップの店員。「ぬまもと」ではなく「ぬもと」です。
(5)幸地奈々美(佐津川愛美)
秀吉の妻。郵便局員の晴山と不倫している。
(6)晴山
郵便局員。幸地奈々美と不倫関係にある。
(7)房州書店の店主(ミッキー・カーチス)
古書店の店主の爺ちゃん。津田に3万円借りていた。
(8)女優俱楽部の社長(岩松了)
風俗店の店主。津田をドライバーとして雇っている。
(9)理髪店「まえだ」店主(リリー・フランキー)
津田の利用する理髪店店主。義理堅い。
(10)倉田健次郎(※キャストは秘密です※)
町を支配するボス。通常は下っ端のチンピラや秀吉などを使って用を済ませる。名前が都市伝説化している。

鑑賞日:2023年6月4日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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