miwka

茜色に焼かれるのmiwkaのレビュー・感想・評価

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
3.4
石井裕也監督最新作。尾野真知子さんの演技が各所で絶賛されていたのでずっと気になりつつも、重そうで敬遠していた作品。
そして案の定ズッシリ重かった。辛かった。

「生きちゃった」同様、不器用な主人公がもがきながらも懸命に生きる姿を映した作品。
しかも今回の尾野真知子さん演じる主人公は、そんな自分を充分理解していて、確信犯的な生活苦なので余計に見ていて辛い。イライラする。
頑張りが空回りで痛々しく、でもなぜか美しく愛おしい。

巻き込まれている息子はたまらないなあ、と思うけれど、過酷な環境だからこそ、彼が目に見えてどんどん成長していくのが快感だった。

夕暮れ自転車のシーン、ファンタジックにカラフルで美しく、また不安定な二人乗りが、今後も彼らの実生活は過酷な日々の連続なんだろうな、と予感させ恐ろしくなった。名シーンだと思う。

5
63
miwka

miwka