茜色に焼かれるの作品情報・感想・評価・動画配信

「茜色に焼かれる」に投稿された感想・評価

しゃび

しゃびの感想・評価

5.0
かわいそうな人が、ただかわいそうに描かれた映画を観るとすこし萎える。

わざわざ社会から闇を引っ張り出してきて、ほらかわいそうでしょ?、社会は間違ってる、もっと怒れって。

そのようなマッチポンプ映画がドキュメンタリータッチの名の下に、社会派とされているのは如何なものかと思うんです。


『茜色に焼かれる』は、
社会の不条理や、正義の不在が、だいぶ世知辛く描かれている。  

でも常にどこかシュールで、
笑いやら怒りやら悲しみがごちゃっとないまぜになってる。

みんな悪いし、正しいし、おバカだ。

現実ってそんなものだと思う。
明確な正義がない以上、明確な悪だって定義できないんだから。
 

『自転車泥棒』は自転車を盗ませたけど、
『茜色に焼かれる』は盗んだ自転車を返しにいく。

衝動的に盗んだり、かと思えば返したり。
一度は使用許可を出さなかった自転車に息子と二人乗りをしたり。


観ていて青春を感じたんです。
こんなに痛々しい映画に青春を感じさせるのは、やっぱりセンスだって思う。

終わらせ方も最高だった。



最後に、ほんとに素晴らしかった尾野 真千子の演技についても触れておきたい。

とても難しい役だと思う。

感情が分からなくなってしまった人間の、なんとも言えない表情。

分からないから一旦このような顔をしておくか。みたいな「顔面の仮置き」的な絶妙な表情だった。

彼女の超一流の表情芝居を観るだけでも、十分に価値のある映画だと思う。
70345

70345の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

理不尽の"要約"の畳み掛け、"なめられてる"人たちにかけられる暴言、なかなかしんどい。。最低なヤツに共感する感情はなかったけど、無意識に人を下に見るってことがもしかしたら自分にもあるのかもしれないって怖くなった。
辛いって大声で言えたらいいしお互いに辛いよねって言えたらいいけどコロナになって、そうでなくても不景気で「みんな辛いんだから」みたいな風潮と辛いと言わないプライドが描かれてたようにも感じる。
色々詰め込みすぎなのと、色んな想いが交錯しているはずのラストの「茜色」がちょっとチープだったのが個人的には残念。
でも自分を信じて生き抜く母"小野真知子"がただひたすらにすごかったという。
(放火だけは理不尽どころではない)

このレビューはネタバレを含みます

交通事故被害者が加害者のお葬式に行くシーンは「空白」を思い出すけれど対応が真逆。映画の中で繰り返し出てくる言葉「舐められてる」を表しているのだろうか。
色んなことを怒らずに我慢して来た良子が「舐められた」とキレる相手は偶然再会し付き合う?事になった同級生。一方的に良子が結婚を考えて、それもお金目的というか生活の安定の為の様に思えるのでどうもピンとこない。息子純平がとっても良い!ケイちゃんのストーリーはほんと切ない。
なかなか重たい内容でオモロい〜(⌒▽⌒)

先日、「譲られなかった者たちへ」を観たのですが信念を持った人の共通点を感じました(⌒▽⌒)
本作は旦那が事故で他界してしまい保険金を貰わない選択をするのだが……って内容!

誰もがあるそれぞれのプライドや信念を貫くって本当大変な事で、後悔してしまうこともあると思いますが、それを乗り越えた時や微かな光が見えた時に報われて先にすすめるのでしょうね。

しかし、どん底の生活は見てられなかったなぁ💦



キツイ内容ですが希望がない映画ではないので是非!!(⌒▽⌒)


おまけ

最後の一人芝居いる??!!笑
尾野真千子主演なので観た。尾野真千子の演技に5あげたい、でも脚本が色々気になった。後日書く
りょう

りょうの感想・評価

4.0
 現代の女性が直面するあらゆる苦難が良子とケイを次々に直撃します。冒頭から交通事故遺族(上級国民である加害者に蹂躙される二次被害)、パート労働者の雇用問題、セックスワーカーへの差別と侮辱、子どものいじめと無責任な学校、配偶者の父親の介護、DVとリプロダクティブ・ライツの侵害、セクハラや性的搾取…など、2人の周囲に攻撃的な人間しか存在しないかのような徹底した描写は、コロナ禍による苦境を背景とした不寛容な社会を痛切に指摘しているようでした。
 また、マスクをした人物が映画に描かれることにより、その言動が他者を拒絶するイメージに直結するということをあらためて認識させられました。最も悪人そうなキャラクターである風俗店の店長(永瀬正敏)が唯一まともな人間として描かれていることも皮肉たっぷりです。

 全編で尾野真千子さんのメリハリある演技が秀逸ですが、中盤の居酒屋で展開される片山友希さんとのシーンは圧巻でした。ちなみに、そこでケイが言っていた「ジミ・ヘンみたいに27歳で死ぬ…」という会話は一般的に通用しないような気がしますが、現代の女性25歳のセリフとしてアリなのでしょうか(ジャニス・ジョプリンやカート・コバーンなどもいますが)。
 さらに、良子とケイの境遇はとても深刻である一方、意図的なものかどうかわかりませんが、どことなくコミカルなセリフと演出が印象的で、ところどころ思わず笑ってしまうシーンが少なくありません。そうした雰囲気づくりは、ヘタウマっぽく純平を演じた和田庵さんがキーパーソンになっていたような気がします。とりわけ「そもそも自転車乗れないのかよ!」のエピソードは軽い衝撃でした。

 個人的には、ポスタービジュアルにもなっている終盤の夕焼けの風景が完全にリアルな映像であって欲しかったです。おそらく撮影現場として至難のワザなのでしょう。この茜色をはじめ、良子が勝負色にしている赤がアクセントになっていましたが、冒頭の道路標識の鉄柱らしきものの赤は、アングル的に不自然なほど強調されていて、むしろ交通事故(出血の赤)のシーンを被害者の妻である良子に「ぐちゃ」と表現させるのならば、そこをリアルに描いて欲しかったです。
石井監督は「町田くん」と「生きちゃった」だけ見てるけど、割と衝動的に映画作りする人なのかな。たまたま「生きちゃった」からそれが続いただけなのかな。

序盤からフルスロットルで荒削りなまでに数々の理不尽な「現実」が映し出されるので、最初は「町田くんの世界」のファンタジー性に対する自己批判的な意味かと思ったけど、むしろ本作も「町田くん」と逆ベクトルに振り切ったある種のファンタジーと捉えた。

人間がその素直で自然な感情を押し殺して生きる(生きていかざるをえない)グロテスクさ。
感情の抑圧とコロナ禍におけるマスクを掛け合わせたのもとても効果的だったと思う。

演技は主要人物の4人ともそれぞれに良かったけど、特に尾野真千子と片山友希が素晴らしい。あの居酒屋でのケミストリーね。
暗いだけの映画かと思いきや爽快に感じるところもありまた息子くんの演じ方が素晴らしい。こんな息子がほしい。そして中村もいい味出してる。面白かった。
尾野真千子さんの女優パワーとか、片山友希さんという人は、すばらしいと思うのだけど。風俗店の客、花屋の上司、再会する同級生に見られる、悪の部分があまりに安直で、現実感を持てないまま終わる。
omame

omameの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも理不尽すぎて、悔しくて、見ていられなくて

親子の周りに現れる男が、ことごとく最低で。
何も悪くない2人には、辛い事ばかりが起こって。
理不尽すぎて観ているこっちが胸糞悪くてイラつくのに
プライドなのか母は全く怒らない。
もっと怒って良いんだよと、
ケイちゃんと一緒に言ってやりたい。
貯めて貯めて貯めた怒りがプチンとなった時
居酒屋での母、全身真っ赤な母のシーンの
尾野真千子が特に凄すぎて。圧巻。

それでも茜色の空の中、自転車2ケツのシーンを観て
この親子の絆があれば、2人一緒なら、
どうにか、しっかり生きていけるのではと思った。
少なくとも息子だけが唯一まともな男でした。

まあ、頑張りましょう。
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