新快速

青い空、碧の海、真っ赤な大地の新快速のレビュー・感想・評価

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初めてロードムービーと呼ばれる類いの映画を観たが、かなり性に合っているかもしれない。
歓楽の影に哀愁が、自由の影に束縛が這い、「忘れるため」の旅と言っておきながら、その実、旅路においても忘れられないものを確かめる旅であるようだった。
なんという清々しい友情。カシの一大決心であろう亜大陸縦断の旅に、こうも自然に連れ添うスニとは…。行く先々の人々も、(チラホラ悪党も出てくるが)なんと感じ良いのだろう。言うなれば、旅は情け、世は道連れといった感じがする。
景色も逐一素敵だった。そんな素敵な情景も人々も、みなその都度置き去りにして、葛藤も振り払って、ヒマラヤ山麓にいる愛するアシのもとへ突っ走る、清々しい旅だった。ただ、あくまで葛藤や懊悩がまずあって、それを振り払うから清々しいのだろう(か?)。
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