ゲゲゲの鬼太郎…原作は未読。小学生のころ、DSのゲームでぬりかべとか、一反木綿とかキャラクターを少しだけ知ってたくらい。
結論から言うととても良かった…出来れば観る前に墓場鬼太郎の1話を見ておくことをオススメします！！今作は鬼太郎が生まれる前のお話。これは水木先生の誕生100年を記念して、制作されたオリジナルストーリーなのかな？ラストの銀行員の水木が赤ん坊の鬼太郎を抱き上げるシーンが、墓場鬼太郎の1話に繋がっていて、おお！となった。お馴染みの鬼太郎と猫娘は少しだけ出てる！この2人よりはねずみ男が大活躍してた。笑
作画も良いし、ストーリーもホラー要素もあるし、内容もしっかりしていて、面白かった。水木先生独特の不気味な世界観も本当に好みで暗い館内も相まって、ずーっと気分が高揚してた。ゲゲ郎(鬼太郎の父)と水木のルックスも良いし、2人の友情もかなり熱いし、2人とも凄く情深くて、魅力的なキャラだったし、最高だった。
ゲゲゲの鬼太郎は水木先生の戦争体験が基になっているんだよね。本作でも人間による幽霊族への迫害や龍賀の醜い欲望が戦争や人間の愚かさなどを批判しているように感じた。
僕が知ってる鬼太郎はもっとポップで子供にも好かれるイメージだったから、鬼太郎誕生の過去がこんなに暗いものだったこと本当にびっくりした。
ただ一方で、ゲゲ郎が妻や鬼太郎に寄せる愛情や水木に“人には愛を持って接せ”と言ってたり、愛もテーマの一つなのかなと思った。この愛が未来への希望や平和をもたらすのだという、水木先生のメッセージも伝わった。
内容的には重くて暗いお話だし、子供の冬休み映画にはおすすめできないけど、戦争の残酷さや人間の愚かさを濁さずリアルに映してくれる、これこそが本来の水木先生の鬼太郎の原点なのかなと思った。水木しげるといい、手塚治虫といい、戦時中も必死に漫画を描き続けてくれたから、今も世界に誇れる日本の漫画が生きているのだよね。本当に漫画のバトンを繋いでくれてありがとう〜と思った。
