miki

生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事のmikiのレビュー・感想・評価

-
今日は沖縄慰霊の日

本島から来た役人たちが、沖縄を虐げ見捨て(逃げ)るなか、島田叡は人間味ある「人」として、真摯に沖縄に寄り添っていた。
それまで沖縄の文化が見下げられ、禁止されて来たのに対し、島田は酒や煙草、方言や踊りの禁止を撤廃した。文化風習が戦禍の中で無駄な事だとされていたのだろう。だけど無駄だと思われる事によって人間は人間らしさを作っていくのだと、無駄を真っ先に排除する戦争から教えられる。
壕から出てきた人々は、アメリカよりも同じ壕に過ごした日本兵を憎んだ。戦争は、単なる国と国同士の争いなんかじゃない…同胞とか敵味方関係なしに、目の前の人への憎しみなんだと思う。
島田があの時代の中で人間の持つべきバランス感覚を保ち続けてたのはどれだけ難しい事だったか少しばかり想像はできる。沖縄の人が沖縄の人らしくあることをひたすらに尊重する人だった。周りの人に元気でいることを励まし、生きろと背中を押し続けた島田の働きを知ることができてよかった。「命どぅ宝」という言葉の重みを私なりに背負う。
miki

miki