ストーリー、演出、演技全てにおいて「しつこい」っていう作品。
アクションや爆破シーンなど派手ではあるのだが、ダラダラとメリハリなく見せられるので逆効果。
ストーリーも盛り上がりがなく、特に落としどころに至ってはかなり脱力する。
筋肉脳のタイソンに演技をさせること自体無理があるのだが、役者である主役のアムルをはじめ全員オーバーアクトのくさい演技。
特に仲間が倒された時のお涙頂戴演技は見ていて恥ずかしい。
そんな中で悪役のハフソーだけは下手な演技ではあるが存在感はあった。
でも、あれだけ煽っておいて、車が爆発して倒されるってのは、せっかく盛り上げたカタルシスをドブに捨てるようなラスト。想像ではあるがこうなったのはハフソーのせいだと思う。
タイソンなどもそうだが、実際格闘関係のお仕事をしている人は、映画の中でも「負け」というのに極度にこだわる。タイソンの出演条件に「負けるシーンがない」というのがあるそうだ。
多分ハフソーもこの手の条件があり、戦って負けるシーンを使えなかったのではないだろうか。
そうとでも考えないと、あの悲惨な落とし方は納得できない。
B級というより素人くさいという方がぴったりくる作品で、Ｂ級魂も全く感じられないので、「タイソンも歳をとったな～」ぐらいの気持ちで見ると暇つぶしにはなる。
