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コーダ あいのうたのayellowbirdのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.9
家族の中でただ1人の健聴者である少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。2014年製作のフランス映画“エール! ” のリメイク。
海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の教師は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが…。

家族愛に満ち溢れた作品! 耳が聞こえない人たちが暮らす上で欠けせないことは、健聴者との意思疏通。筆談なら誰でもできるが時間がかかる。だから、より速い方法は手話だが、手話をできる人は少なく、子供が健聴者だと、結局子供 (コーダ =Children of Deaf Adults)が通訳役になる。ルビーもコーダとして幼い頃から家族を助けてきたが、自身の進路を考えるにあたり、自分の夢を叶えたい気持ちと家族を置いていくことへの罪悪感との狭間で思い悩み…。
“お前が家族の犠牲になることはない” そう言って背中を押してくれる家族。ハンディがあっても、いやハンディがあるが故に、より家族の事を思いやれる人たち。昨今、家族の不仲が原因の事件が多いだけに、そんな優しい人たちに胸が熱くなる。
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