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コーダ あいのうたのenchanのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.8
涙と溜息が漏れてしまうような映画。あったかい

家族の中で唯一人だけ耳が聞こえる17歳の少女ルビー。
家族のために通訳係となりながらもそれが自分の役割なんだと受け入れて頑張ってる素直な超良い子。
時には後ろ指刺されてきた家族をずっと支えてきたのでしょう。

そんなルビーが夢見たのは歌うこと。だけど耳が不自由な家族は理解を示さず…。聴こえなくても応援せーよ!と思っていたけども、彼らが音のない世界をどう生きているか、とあるシーンが強烈すぎてハッとなる自分がいました。
そんな家族も支えたい、でも夢も叶えたい、2つの世界の中で葛藤を抱えながらも生きる彼女が素敵すぎました。

聞こえない耳にどう届けるか、聞こえない耳でどう感じ取るか。
家族なんだから当たり前だよねと甘えちゃいがちだけど、やっぱ根っ子に愛があるから出来るのかな。煩わしいからこそ家族なんだって。
「きれいな音を出せるかではなくどんなメッセージを伝えられるか」
良いっすよ良いっす!

にしてもルビーは声も可愛くて超上手い…。この役者さんは歌のレッスンを受けたことがなかったらしく驚き。可愛い。
こういう部分で男性諸君の心を掴みに来る憎き映画でもある。

さらに家族役の役者は実際に耳の聞こえないろう者の方だそう。
手話を通して伝わる言葉は音は無くてもとても活き活きとしていて表情豊かで。とても素敵な言葉だなあ。

題名のCODAは「ろう者を親に持つ耳の聞こえる子」の意らしいですが、
音楽記号codaのように、最後はハッピーに締めてくれる素敵な映画でした。
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