Nagisa

コーダ あいのうたのNagisaのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.3
最近よく聾唖者が出る作品を観るなぁ。
そういう作品を観る時、どういう心構えで観ればいいのか少し迷う。
映画は娯楽だけど、娯楽でそのテーマに触れるのは少し気が引ける。(食い物にしてる様な感覚に近い)
少しでもその知らない世界を知る事ができたらいいな、と思い鑑賞。

家族の中で1人だけ健聴者のルビー。
家族は彼女の特別な歌声を知らない。

このあらすじで大方の流れは予想できたけど、それでも彼女と家族の間にある少しの壁、歩みより方、演出、どれも良かったなぁ。

声が聞こえなくても、言葉で伝えられなくても、表情や身振りで、愛情が伝わってくる。
それはルビーの家族も、ルビーも同じ。
母親の、手話で思いを伝えるシーン。
改めて手話って何物にも勝る、世界共通の言語だなって。
父親の、ルビーの歌を感じ取ろうとする姿勢、
兄貴の、妹を想ってこその憤り。

私、ただ単に仲良し家族は嘘っぽく思っちゃうので、
喧嘩をしたり、大嫌い!!って怒鳴ったり、素直にぶつかってくれるから、観てるこっちもストレスが最小限で済んだ。
それでも根底にはやっぱり愛があって。
ポロポロ涙が出ちゃったな。

ここから少しネタバレだけど、
聾唖者が出る映画だからもっと「聞こえない」描写が多いのかと思ってた。
実際は周りの目線で描かれてるからマジの無音はほとんど無い。
あるシーンを除いて。
だからこそ、その聞こえないシーンが胸に刺さりまくるし、
似たシチュエーションで、伝え方が違うあのシーンではもう一度涙が出た。

高評価が納得の、優しくて感動的なお話だった。
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