声を出すセリフが少ない分、役者の表情と身振りの演技を存分に堪能できる。どちらがいいとかじゃないけど、手話ってそんなことも表現できるのか、とか、声がなくてもこんなに喜怒哀楽を伝えられるのか、むしろ声がない方が強く伝わるのかも、とか、"聞こえる"わたしにとって全然知らない世界を見せてもらえた。聾唖者の中の家族唯一の健聴者、という世界を垣間見るのももちろん初めてで、やっぱりこの世は想像できないことだらけだなと痛感した。
伏線を回収してじわじわ泣けてくるというよりも、突発的に目頭を熱くさせるシーンがいくつもあった。ずっと"代弁者"として役割を果たしてきたルビーが、自分の声と手話というツールを使って自分を表現する姿に涙が止まらなかった…
環境が違いすぎて、自分も頑張ろう、とは直接的には思えないけど、間違いなく勇気をもらえる作品。
