エマ

コーダ あいのうたのエマのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.1
泣いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※追記:
これは「字幕版」で観た人に是非知ってもらいたい知識です。今作では音の聞こえない人のことを「聾唖者(deaf)」と書かれていますが、これは差別的ニュアンスを含むようです。「唖」という感じが「話せない」という意味があるらしく、「手話で話せている」当事者達を否定する事になりかねないようです。今は「ろう者」と平仮名で書くのが一般的なようです。また、「健聴者」という表現も良くないみたいで、聞こえる人が「健康」で聞こえない人は「不健康」なのかという事になりかねないので、一般的には「聴者」と言うみたいです。YouTubeでCODAの方が今作について語る動画があり、言及されていたのでこれは少しでも共有する必要があると感じました。
⤵︎ ︎以下感想です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「both sides now」は「へレディタリー」のエンディング曲のイメージが強かっただけに塗り替えられた。とてもとても素敵な曲だ〜。
ていうか日本語の訳がとても良かった。翻訳者の名前見るの忘れてしまったなぁ。

コーダという言葉があることを初めて知ったし、「そうか、こういうことも日常であるんだろうなぁ」と勉強にもなった。

言葉=やっぱり波、振動で、それが海と繋がっている気がした。意図しているのかな?
娘の言葉が分からない切なさと、全てを受け取りたいという大きな愛が感じられた。

ただ冷静に批評すると、この映画のメッセージは良くも悪くもかなり現代的だと思う。「他者に縛られずにお前の人生を生きろ」という兄と、家族を守らなければならないという葛藤を抱えた主人公。結局全体的に上手くいって主人公も自立できてハッピーエンド!って感じではあるんだけど、本当に自立がしたいと思っていたのは兄だと思う。妹に頼らないと上手くいかないという呪縛から逃れたい気持ちが見て取れる。他者を支える素晴らしさには触れず、あくまでも個人主義を称えるメッセージ性が刺さるのは、現代ならではだと思った。

いや、泣いたよ?めっちゃ。良かったです。
エマ

エマ