あろわ

コーダ あいのうたのあろわのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.7
心があたたかくなる作品だった。
タイトルのCODAは”Child of Deaf Adults”、聴覚障害のある親をもつ(自身は聴覚に障害のない)子どもという意味で、その名のとおり、家族で一人だけ耳が聞こえる少女ルビーの物語。

両親のオープンで直接的な会話には思わず笑っちゃうし、理解ある先生の愉快な指導も素敵でニコニコ☺️
明るく楽しい場面も多いけど、家族の耳・口となるため拘束され、自分のやりたいことを諦めるルビーの気持ちは辛い。

特にお母さんはルビーに依存するタイプで、親だけど割とわがまま。でもだからこそ、「(合唱を始めたと言うルビーに対し)反抗期なのね、私が盲目だったら絵を描いてたわ」「あなたが生まれたときろう者だったら良いなと思った。耳が聴こえる母との間には壁を感じていたから」(どちらもニュアンス)というまっすぐな言葉や思いに考えさせられる。

また、音のない歌の発表会で娘の実力をまわりの人の反応をみることで確認しているところ、聴こえはしないけど声帯に手をあてることで感じる娘の歌、家族に手話で伝える歌…
普段生活していると私は考えもしない部分を、映像で観ることで経験して、映画というものの良さをあらためて感じた。
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