HAL8192

劇場版 呪術廻戦 0のHAL8192のレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
3.9
ネクスト鬼滅でも、ジェネリックエヴァンゲリオンでもない、呪術廻戦の前日談!

物語はアニメシリーズの一年前、作品自体も、ジャンプ本編シリーズの前の短期集中連載の内容を忠実にアニメ映画化した作品。

とにかく、制作会社のMAPPAのアニメーションの質が良く、テレビシリーズから一段とクオリティが高い。特にアクションしの滑らかさと演出のレベルは流石! シリーズキャラのアクションや「黒」エフェクトの入った一撃など、見せるところはしっかりしている。

また、本編シリーズの前日談であり、初見さんにもかなり優しい作りになっており、ここから入って全く問題はないようにもなっている。(逆を言うと新規には同じ世界観説明を繰り返す事にもなるため、やや冗長なところもある)

ストーリーは構造的に、原作の内容が、短期の四話での掲載で、構成されているため、多少ぶつ切りで終わっている4話を、強引にくっつけたところは見えるが、後半になっていくに連れて尻上がりに良くなっている。特に、呪いと愛の関係はしっかり描かれていた。

声優に関しては、好みが分かれるかもしれない。アニメシリーズにすでに登場しているキャラはそのままなのだが、本作のヒロインの声優、花澤香菜さんの可愛らしい声と恐ろしい唸り声の使い分けは良かった。

問題は主人公の乙骨憂太役の緒方恵美さんだ。演技自体は素晴らしいのだが、まあ、なんというか、最近ようやく終わったエヴァンゲリオンシリーズ、主人公碇シンジのまんまなのだ。おそらく、製作側はわかってパロディとしてやっているのだろうが、それにしか見えないというか、聞こえない。これをどう捉えるかで、本作の評価は変わってしまうだろう。

全体的に、無難に原作を仕上げ、アクションのクオリティを担保した上で、映画化しているため、シリーズファンは勿論、一本の映画としてもレベルは高いだろう。(周囲の評判が上がりすぎている気はするが)

それと今作のMVPは山寺さんが演じた「ミゲル」異論は五条先生を15分足止めしてからお願いします。
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