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コットンテールのemediaのレビュー・感想・評価

コットンテール(2022年製作の映画)
3.8
弛い顔立ちで頑固な父親をリリー・フランキー
強めの眼力ながら線の細い息子を演ずる錦戸亮
更に壮絶な闘病シーンを背負う母親の木村多江

妻に先立たれた兼三郎の焦燥感は
捉えようによっては異常者にも思える
確かに街を彷徨い・・というあたり

母親(明子)を支点として
兼三郎と慧のバランスは完全に崩れている
ここは慧の妻(さつき)では埋められない部分
可愛らしい孫(エミ)に癒されるわけでもない
体の中を風が吹いて揺らめいている兼三郎

ウィンダミア湖に散骨をという妻の願い
自らに欠けていた代償に充てるかのように
いわゆる不器用な男が野兎を追いかける


闘病生活を支えるとき
いまある痛みを取り除くのは
投薬なのか?心療なのか?愛情なのか?
助けるとは?何をすべきなのか?
最終選択が正しいのか否か?
誰がジャッジできるものもはない
どの家族にも
どの病状でも
苦しみを和らげる術があれば・・
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