スティーヴン豆腐

コットンテールのスティーヴン豆腐のレビュー・感想・評価

コットンテール(2022年製作の映画)
2.6
『ぐるりのこと2。』ではない。

これなら70分台でいいと思う。
開幕早々から万引きキメて主人公の好感度を落としていくスタイル。妻の死により自制が効かなくなったことを踏まえ、最後まで観たうえで尚、元来やや利己的な人物であろうという印象は覆らなかったけども。

監督はオックスフォード大学と早稲田大学で映画制作を学んだ経歴のイギリス人。人物造形は言うに及ばず前半の日本国内の描写ひとつ取っても外国人視点というフィルターを感じたのは否めない。それこそ冒頭の魚屋、あんな突き放すような客あしらいはしないよ…

ロードムービーの体ではあるものの、その道程は思いの外順調で、英語を話せる兼三郎は現地の人の助けを借りつつあっさりと目的地周辺まで辿り着く。要するにその間を埋める回想や息子家族とのすれ違いが本作の主軸になるわけだが、全体的にうっすらと日本人の感覚では「しっくりこない」ところがあり「ゆったり」とも違った間延びした印象も。