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シン・仮面ライダーのayaのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
2.5
仮面ライダーは電王とOOOとWだけ完走してるくらいで、昭和ライダー全然わかんない勢

結論、はまれなかった
たぶん色々と理由はあるんだけど、第一にノイズが多くてシナリオに集中できず、ふっと冷めてしまう瞬間がたくさんあったこと

・カットの切り替え
庵野の特色とも言えるアングルを作るために、今回もたくさんのカメラが使われ、その中にはiPhoneも数台
特に監督自身は小回りが効くiPhoneを好んで良く使われるようですが、カットの切り替わりで明らかに急に画質が落ちる
そこに演出意図があるならいいんだけど、そうではないからいちいち没入感を削がれるなぁとストレス
シンゴジラ以降?絵コンテ描かなくなって、現場で偶発的に撮れる面白い絵を使う、みたいなことを言ってるけど、もういい加減にある程度はコンテ固めたほうが絶対に良い
序盤のシーンは極端にアップか、極端に引きのシーンが脈絡なく繋がれている印象で、IMAXで見てたのでちょっと疲れた
全編通してでかいスクリーンで観られることを想定してないというか
ブラウン管でみたらちょうど良いのかもしれないけど…みたいな絵作りが多いように感じた

・アクション
CGがチープ!!!!!
びっくりするほどチープ!!!!!
納期の問題なのか発注の問題なのか金額の問題なのか、はたまた狙い通りなのかわからんけど、全然本物に見えず、CGが出てくるたびにまた現実に引き戻される
ドキュメンタリーで描かれていた身を削るような戦闘シーンも全カットでCGに置き換わっている
ドキュメンタリー内で監督が、殺陣は段取りになってしまうから、そうじゃなくて殺し合いを演じてほしい、と言っていたのに、CGなんかもろに段取りしかない手法に置き換わっちゃったのがよくわからない
見せ方に一貫性がないから、これも没入感を削ぐ要因になった

・シナリオ
エヴァよりもセカイ系の血脈を感じた
本郷はルリ子のために戦い始める
人類の存亡みたいなものを「君と僕」の世界観の中だけで描いていくから、全体のスケールはかなり小さい

-小プロットが乱立していて、結局この映画って何が言いたいんでしたっけ?がわからない(伝わりづらい)
-キャッチーなキャラはたくさんいたのに、せわしなくてちゃんと感情移入する暇がなかった
映画として、作品として観せるもの作るならドラマを描くのにもっと時間かけてほしかった
-なんとなく本郷の動機の強化と2号の覚醒のためだけにルリ子が殺されたのもちょっともやもやしてる…


マジでびっくりするほど楽しめなかった…
not for meだった…
私は、今この時代に新しく作るのなら、今この瞬間の技術を結集させて新しいものを作ってもらった方がワクワクするタチなので、本当に全体を通して匂い立つような懐古趣味が合わなかった
この作品でやったのはリブートでも、現代版でもないんだよな…

あとはシンシリーズに言えることだけど、庵野自身が自分の中にあるものを超えたものを創りたいと思っているのはすごく伝わってきたんだけど、その割にあんまり他のスタッフを信頼せずに結局全部自分でやってしまってる部分あるような気がしてる
きっと、信じて任せるをできるようになると、またちょっと出力されるものが変わるのかもしれないな
aya

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