ShinichiOguchi

シン・仮面ライダーのShinichiOguchiのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.0
ものすごく惜しい映画だなというのが印象に残りました。

仮面ライダー周りの小道具はめちゃくちゃかっこよかったです!
風を受けて、返信するところやヘルメットが仮面になるなど、きちんと仮面とライダーの意味があるものになっていましたし、サイクロン号の変形は厨二病がくすぐられるものになっていて、凄く良かったです!
ライダーキックの決めポーズなども決まっていて最高でした!
池松壮亮さんや森山未來さんの演技も素晴らしかったです。池松さんはなんかいつも顔が震えているのが凄く気になりましたが(笑)森山未來さんの底知れない不気味さはラストがしまる良いスパイスになっていました。

手放しで褒められるのはこれくらいで後は惜しいなぁ…という点です。
今回思ったのは尺が短すぎてすべてが説明不足な点です。24話のアニメでやればめちゃくちゃいい作品になりそうだなと思いました。
1番惜しいのは悪役が沢山いるのに説明不足な点です。
ショッカーという組織がどのように世界に悪影響を及ぼしているのかという点が皆無。オーグたちも悪いことやってるよっていうのは分かるんですが、コウモリと蜂以外は一般人への影響が皆無で悪役として憎むべき点がないので、倒されてもあー倒されちゃったという印象しか残りませんでした。こいつらがやられて清々したわ!という感情が湧かないので、仮面ライダー頑張れ!という感情も抱きづらいです。

また、日常パートがほぼ無いので、本郷と緑川がいきなり仲良くなった感じや本郷が過去のトラウマから立ち直るきっかけの描写が唐突で残念でした。

なのでもう少し尺を取って悪役の悪いことをしているパートと戦闘以外の日常パートを増やして、深みを与えることができれば傑作になりそうな感じがしたのでものすごく惜しい…!と思いました。
例えが悪いですがゲームでメインクエストだけ淡々と進めていって、世界観の深掘りをするサブクエスト一切やらずに攻略しちゃったという感じです。

カメラや画角は正直微妙です。
iPhoneで撮ったところは極端に画質悪くなっていて気になりました。
アクションシーンはボーン・アイデンティティー的なアクションを細かいカットで揺らして撮っていましたが、揺れ方が不自然すぎて見えづらいですし、殴られる側と殴る側でカットが切り替わり何が起こってるか本当に分かりづらかったです。あれは全体を映してやっているから臨場感が出るのに、部分的に映してしまったら、良さが無くなってしまう…。
全体的なカット割りもアニメ感…というよりエヴァ感が出ていたので、尚更、アニメの方が良いのではないかと思ってしまいました。

輝く良い点がそこかしこにあったので本当惜しい!
ShinichiOguchi

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