Arima

シン・仮面ライダーのArimaのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.0
んもぅー!2回観ちゃったよ!
今回もノイズに気を取られる鑑賞体験になったけれども、複数の鑑賞で腑に落ちる事もあった。
今作を1言でまとめると、「ドラマ版の後半15分と監督の映像的フェティシズムを交互に並べた作品」か。

1番のノイズは何だったか考えるに、「用意周到な〜」「心〜」「手をあげるだけでいいい」等、登場人物がその状況、己の内面を自ら誇示する点だった。

しかしながら、それこそが幼少期より庵野アニメに触れてきて子供の心に深く残るシーンであったのも確かであるし、庵野作品の特徴でもあったはず。

俺の中でこれらの特徴がノイズに変わったのにはいくつか理由がある。

1、映画作品の性質上約120分1本という時間的な制限を求められるので、30分アニメとは繰り返される言葉の重みが変わった。
2、繰り返される言葉が劇中で回収されたり、キャラクター性を掘り下げる等の結果に結び付かない事を何度も味わった。
3、俺自身の加齢により、そういう語り口の人間が現実に存在しない事を知ったw

「じゃあなんですか!庵野監督の作家性ってフェティシズムを感じるちょいエロシーンと画面を横切る線を使った背景を撮る事、オタクにしか解らわない特撮シーンを撮る事だけなんですか!!」

と問われれば、現段階では「yes」と答えざるを得ない。

でも、そのフェティシズムに共感できたり、なんか分からないけど浜辺美波見てると股間がムズムズする、みたいな方は十分に楽しめる作品は作ってくれたのではないだろうか。

他にも、仮面ライダー2号の心のままに生きるライダー像も好きだし(心〜はなくても成立出来た)、西野七瀬さん演技も好印象だった。

今後、庵野監督作を観る時は今作で得た心構えを持って臨もう。
Arima

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