タカヒロ

呪怨2のタカヒロのレビュー・感想・評価

呪怨2(2003年製作の映画)
3.0
ビデオ版から続く、清水崇監督による物語は一旦ここで終了。
見せない怖さや演出が主流であったJホラーにおいて、逆転の発想で「見せる怖さ」を追及したのは素晴らしい発明なのだが、
同時にそれは一発限りの反則技でもあり、何度も繰り返される事によって映画全体が食傷気味になる危険性も孕んでいる。
呪怨2に関しては、二作目の宿命である、「劇場版一作目よりスケールアップすること」に注力した為に演出が大味になり、作品が本来持っているポテンシャルを引き出せていなかった様に感じる。

まず伽椰子を見せる頻度が多い。
ビジュアルそのものや動きの見せ方は前作よりも怖いのに、現れるまでのタメの間隔が映画が進むにつれてどんどん短くなるので、途中からパターンが読めてドキドキ感が薄れてしまう。

また、呪怨は時系列をシャッフルする事により生じる
「終わりの無い、出口の見えない円環構造」こそが作品の肝であると思うのだが、今作はそれがあまり上手く機能していないと感じた。
終盤の千春のチャプターは、ツッコミどころも多く、蛇足だった気がする。

とはいっても、やっぱり一定の面白さは保たれているし、画面の作り込み等しっかりしているのでナイス。
久しぶりにリブートして欲しい。
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