mul

劇場版 Free!-the Final Stroke- 後編のmulのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

遂にFreeシリーズ最終章。
なんだか寂しい…もう今年で10周年なんだ…という衝撃。今も余韻が残る。

前編では遙がアルベルトに囚われて、自分自身を見失ってしまっていたけれど、仲間たちの支えにより、遙の意識が変化していく様と、ナイトプールで凛と仲直りするシーンは感動した。

水に愛された天才、水の中では最強の七瀬遙。
作中で度々遙が口にする「10で神童、15で天才、20歳過ぎればただの人」という遙の祖母が言っていたことわざ。アニメ本編の1期では無気力な状態で“ただの人”になりたいと言っていた遙が徐々に“ただの人”になることを恐れていること、そのことわざに囚われているように感じたのは印象的だった。
体を酷使してきた影響で遙が心身ともにボロボロになっていく様は辛かった。

そんな中でも、遙が仲間に支えられながら人としても選手としても成長していく過程が良かった。そして凛はストーリー上で特に成長したキャラクターだと改めて感じる。凛は一人の選手として成長し、また一人の人間として強く逞しくなったと思う。以前は仲間に支えられていた凛が今度は遙を支える側になっていたこと。かっこつけることをやめた凛はとても素敵だよ…

孤独になることを恐れていく遙の描写に心が痛む。仲間との出会い、繋がりを知ってしまったからこそ孤独の恐ろしさを知るのだなと思った。

加藤達也さんのOSTが最高…終盤の福岡大会でのメドレーリレーで“The final stroke”が流れた瞬間、鳥肌が立った…

観るたびに魅力が増す作品。作中に散りばめられた演出を考察していくのが面白い。

シリーズ全体を通して感じたことだけど、遙と出会った人たちは遙をどこか神格化している部分があるなと。遙の並外れた泳ぎ、人を魅了する泳ぎは素晴らしいことだけれど、時として遙にとって負担に感じるのかな、と思ったり…遙も人間だよ〜
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