9月30日の大衆団交の高揚。翌日の佐藤栄作総理大臣の団交否定発言。大学当局の反故。
『圧殺の森』でも、夏休みに入ったら集会の動員が激減した、という状況が描かれていたが、秋の風が吹いて船をたたむ頃、日大生の動員も激減する。
もう止めようという圧倒的な学生の気分をよそに、前衛主義的な指導に幻想を抱く執行部。前衛なんてとうに破産していることを知っているはずなのに絶望的な陥穽に陥る。このあたりの心情はよくわかる。大体同じところで足を引っかけてしまうのだ。悔しいが。貴族的な東大闘争、と揶揄しているところに連帯なんてあったんだろうか。
ヤッケの襟元から子猫が顔を出しているシーンを観るたびに、青春だったなと思う。
芸術学部闘争委員会が撮影を担っているからか、芸闘委のヘルメットが目立つ。調べてみるとyoutubeに登録してあって全編観ることが出来ます。歴史的価値として公開しているようです。
国立映画アーカイブ 発掘された映画たち2022 にて