タロウ

ドラゴンボール超 スーパーヒーローのタロウのレビュー・感想・評価

3.2
『DRAGONBALL-ドラゴンボール-超 スーパーヒーロー』


人造人間をこの世に生み出した科学者・Dr.ゲロの孫であるDr.ヘドは、叔父の強烈な才能を受け継ぎ、いやそれ以上の知識と技術を駆使して自らが夢見る新たな人造人間製造計画を練っていた。時を同じくして、世界征服を企むレッドリボン軍総帥のマゼンタはそんなヘドの才能に惚れ込み、オレオクッキーを土産に共に悪の組織を打倒しようと持ちかける。莫大な研究資金も用意するとのことで、ヘドは彼らと結託、恐るべきレッドリボン軍の再興が着実に近づいていた、、

 ひっっっさしぶりに映画館。試験終わりには、もう日が落ちててせっっかくだしレイトショーで何か見ていこうと思って駆け込んだ。そしたら本編前の予告編が異常に多くて驚いた。後ろの席に座っていた小3くらいの男の子は「長いな~」って言うてたけど僕はあの大きな画面で予告編見るの大好き人間なので、感激。これってレイトショーの特典だったりするんですかね?笑

 ドラゴンボールの物語は、Z~GTまではだいたい分かってるけれど超に入ってからはビルス様が来て、フリーザが復活して、、惑星対抗で戦って、、、断片的にしか覚えてなくて、そんな状態でも楽しめるかなと心配だった。前作のブロリーの映画も未見。けどやっぱ「ドラゴンボールの新作!」って言われたら気にはなるし、何より大画面でスーパーサイヤ人の神々しい姿を見たい!って思っちゃう。なので飛び込んでみた。


 (ネタバレあり)
 んー面白かったけれど、、ってのが正直なところ。これって結局誰の物語だったんだろう?見る人の受け取り方でその答えはそれぞれだと思う。個人的にはDr.ヘドとガンマたちが物語の中心に据えられていたように思えた。マゼンタの言葉を疑いながらも、見ない振りをして計画を進めてしまった、そんな葛藤は、一蓮托生かの如くガンマたちも同じ。そもそもヒーローに憧れを持つヘドが、あんなに若いのに(あれ何歳だったんだろ?)自分の信念がちゃんとあって肝座ってるように見えたのが印象的。その反面、お金やオレオの揺さぶりでマゼンタの策略に乗ってしまう未熟さ、若さがあって「あぁこいつは純粋にヒーローに憧れてるヤツなんだ」って思えて、途端ヘドが愛おしく見えてくる。そこから一気に彼が物語の中心にいるように思えてきて、ピッコロや悟飯の活躍よりも魅力的に感じたかもしれない。

 そんなヘドたちを止めるべく今回はピッコロさんが奮闘!パンのお迎えから敵アジトへの潜入まで忙しい忙しい💦
虫の研究だか何だかで忙しいという悟飯に呆れて、彼を再び覚醒させるべくパンちゃんの誘拐にも加担。ほんとに今回はピッコロが孤軍奮闘してた。

 今回一番テンションが上がったバトルシーンは、悟飯周り。レッドリボン軍に乗り込んでからの大雨の中での戦いは見応えあった。スーパーサイヤ人→潜在能力解放の流れもアツい!
からのセルマックス起動。本当の悪がどちらか明確に気づいたガンマ2号の振る舞いが正にヒーローで胸アツ。自爆覚悟の突撃むっちゃカッコよかった!声が宮野真守さんであの青く燃え上がるような演出で宇宙空間から飛んでくる姿は完全にウルトラマンゼロのそれだった笑

 物足りない、、と思ったのは悟飯が新たに覚醒するまでの過程。仲間の死や大切な人の傷ついた姿を見て、怒りで覚醒するのはサイヤ人お馴染みだけれど、本編でピッコロと悟飯が共闘するのは終盤のみ。ましてや一緒にパンちゃんと過ごすとか日常的に会話する場面も限られていた。となると、あの場面でよく分からない強大な力が突然覚醒するのは素直に頷けなかった。言い方悪いかもしれないが、都合が良すぎるのではと思えてならない(覚醒した姿はめちゃカッコいい)。ピッコロと悟飯の関係性が分かっていれば、まだ納得できると思うけれどそこまでドラゴンボール詳しくない人からすれば、え??って展開になってしまう気がする。
 だから悟空とベジータのバトル全部削ってでも、ピッコロと悟飯が共闘するシーンを増やせば良いのにと思った。何ならピッコロが無理矢理悟飯連れてアジトに潜入とかでもよかったんじゃ?パンちゃん誘拐もマゼンタが裏で進めていて、潜入中に突然それを知った悟飯が潜入してるにも関わらず、怒りで覚醒して戦いを始めちゃって、、とか。

 本編が終わると、後ろにいた男の子二人の内一人は「普通だった~」って言っててもう一人の子は「最後の悟飯バチクソカッコよかった!!」って話してた。なんだかこの二言にこの映画が集約されてるような気がしてならなかった。

 
 
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